[ photo by gyao ] |
++ りんこ様 『恋するときの礼儀作法』 17歳の誕生日に送られてきたのは小さな箱。送り主の名は…… 「中嶋英明」 2カ月前にこの学園を卒業していった、俺の……大好きな人。 「中嶋さん、卒業おめでとうございます」 涙をやっとのことでこらえて、歪んだ笑顔でそれだけいうのが精一杯だったあの日。 俺はそれでもと記念の品が欲しいと、その人に訴えた。 「思い出にするつもりなのか」 「えっ」 言われた言葉の意味がよく分からずに、鼻をすすりながら見上げれば、 中嶋さんの綺麗な顔の眉間に小さくしわが寄っていた。 「終わらない関係ならば、記念の品など必要ない」 「あっ」 いいんですか、このまま好きでいて。ずっとあなたの側にいても、いいんですよね。 別れの悲しい涙が喜びのそれに変わる。 変わらずに鼻をすすり上げている俺の頭を二、三度なでて、おでこにキスをくれた。 「それともこれが欲しいのか」 「……」 目の前に差し出されたのは、あの……万年筆。 「何よりの記念品だろ」 意地悪く、片頬だけで笑う顔もかっこいいなんて、卑怯ですよ。 あの時のことを覚えていたんだ。 箱の中には、間違えようのないあの記念の万年筆があった。 そして、一緒に入っていたのは……。 「こ、これは……」 たぶんアレだと思う。間違いなくあれだ。でもなんで……。 『直腸洗浄は礼儀だろ』 書かれたメッセージがちかちかしてよく見えない。 まさに特大トンカチで頭をなぐられた気分だ。 この人は、この人は……中嶋さんのバカーーー。 《りんこ様談》 いいわけ:書いてみたかった「直腸洗浄」ネタ。 まさか、書く日が本当にこようとは。 このような機会を頂き、感謝です。 にしても、いいのでしょうか。 こんなので……トホッ (2005/05/25) |